問題1
借地借家法の強行法規性
片務的強行規定が正解です
借地取引、借家取引は借手にとって重要な取引ですが、交渉力の強さが貸主側の方が強くなる傾向にあります。
そのため自由な取引に任せてしまうと、借手が著しく不利な取引になりがちです。
法哲学の分野では、上記のような資源の配分に偏りがあるという状況は取引を矯正することで、平等を確保しなければならないという「矯正的正義」の考え方があります。
その「矯正的正義」を法律化したものが片務的強行規定であり、賃借人の立場が民法より不利な規定は無効になり、民法の内容通りの契約を結んだものとみなされます。
問題2
借地借家法が適用される目的として適切なものはどれか
所有目的のみが正解です
一時使用目的と所有目的の違いの賃借を考えると、所有目的の方は生活するための住居であるといえます。
法哲学上の考え方の一つであるで消極的功利主義の考え方で考えると、各人の不幸を最小化するべきとされています。
そして、衣食住は人の生活に重要なものであることから、居住目的の住居を突然の契約解除によって失うことは不幸の度合いが大きくなるため、各人の不幸を最小化できるように借地借家法によって保護しています。
問題3
借地権の対象とならない権利の種類はどれか
抵当権が正解です
各選択肢の意味について説明すると以下の通りです。
- ・地上権……人の土地の上に自分の所有する建物を建築、使用する権利
- ・抵当権……相手が約束を破ったときに、相手が指定したものを取り上げる人質としての権利
- ・土地賃借権……土地を借りて使用することができる権利
- ※借地権……土地を借りて使用することができる権利
問題4
更新のない借地権はどれか
定期借地権が正解です
更新のないということは期間が定まっていると言い換えることができます。
そう考えると、期間が定まっている借地権となることから漢字をとって定期借地権となります。
問題5
借地借家法の法定の建物賃借権の対抗要件
登記又は引き渡しが正解です
対抗要件とは知らない人が自分のものを勝手に使用していた時に、知らない人に対して「これは私のものだ」と言っていい条件のことを指します。
そして、借地借家法では民法よりも以下のように対抗要件が認められやすくなっています。
- ・民法……登記のみ
- ・借地権……自己名義の建物所有
- ・建物賃借権(借地権借家法)……登記又は引き渡し
問題6
借地権の対抗要件
自己名義の建物所有が正解です
借地借家法と民法では以下のように対抗要件が異なっています。
- ・民法……登記のみ
- ・借地権……自己名義の建物所有
- ・建物賃借権(借地権借家法)……登記又は引き渡し