thumbnail 一問一答の一歩

問題1

ベクトルの持つ数と同じような計算法則を使える性質

ベクトル空間が正解です

ベクトルは普通の数字(スカラー)とは異なっていますが、数字と同じように以下の計算が出来る性質をベクトル空間と呼んでいます。

  • ○スカラー倍について
    • ・スカラー倍の分配法則
  • ○ベクトル同士の加法、内積について
    • ・加法、内積の交換法則
    • ・加法、内積の結合法則
    • ・加法、内積の分配法則
なお、厳密にはベクトル空間といえる条件に単位元と逆元の存在もあるのですが、大筋の理解としては上記の計算ができる性質という理解でいいように思えます。

問題2

平面ベクトルは空間ベクトルと同じように計算できる性質のことは何と呼ばれているか?

部分空間が正解です

部分空間とは、平面ベクトルと空間ベクトルの2種類のベクトルの関係を示したものです。
より厳密には、空間ベクトルでできる下記の計算は平面ベクトルにおいて一つの平面内で完結した計算ができるということを言っています

  • ・ベクトルのスカラー倍
  • ・ベクトル同士の和

問題3

行列の各行を行ベクトルに分解したときに、一次独立となるベクトルの個数

Rankが正解です

Rankは階数とも呼ばれることもあります。
ベクトルの問題では基本出てはきませんが、大学の行列の変形の場合分けとしては時々見るので、行列の中では割と重要な概念です。
また、Rankに似た概念として次元を表すDimがあるのですが、(※選択肢にあるDivではない)そちらは行列ではなく、ベクトルが与えられているときの次元を指します。

問題4

ベクトルaとスカラーcにおいて、ベクトルaとの内積がスカラーcになるベクトルのことをベクトルaとスカラーcの何というか?

超空間が正解です

超空間と呼ばれると、あまり馴染みが無いものですが、求める演算自体は指定したベクトルとの内積が0になるベクトルを求める過程で使われています。
これは、ベクトルに対して、スカラーが0となる超空間を求めているともいえる。
例えば、a=(-1、2)に対して、スカラー0となる超空間は内積が0になるベクトルを表せばいいので実数tを用いて以下の通りです。

  • (t,2t)
これを示すものは1次元空間であることから、超空間と呼ばれています。

問題5

関数において、「f(x+z)=f(x)+f(z)」及び「f(‪α‬x)=‪α‬f(x)」の二つの等式が成り立つ状況を示す用語として不適切なことを何というか?

正規化が正解です

以下の2つの用語はほぼ同じ意味を示しています。

  • ・線形である……行列やベクトルで使われる。
  • ・準同型である……方程式や郡論で使われる。
また、準同型な関数のうち、入力した数字xと出力した数字f(x)が全ての数学を対象として1対1対応が成立しているものを同型な関数と呼んでいます。

問題6

N次元ベクトルにおいて基準として設定した一次独立であるN個のベクトル

基底が正解です

N次元ベクトルと聞くとイメージしにくいですが、2次元ベクトル、3次元ベクトルでの例としては下記のものをイメージすると分かりやすいと思います。

  • 〇2次元ベクトルの基底ベクトルの組み合わせの例
    • (1,0)と(0,1)
  • 〇3次元ベクトルの基底ベクトルの組み合わせの例
    • (1,0,0)と(0,1,0)と(0,0,1)
大学入試のベクトルを用いた図形の問題では、言葉は出てきませんが基底の考え方はすごく大切でありベクトルの図形の問題が出てきたらまずは以下のことを行うといいでしょう。
  • 「問題文中のベクトルを全て基底と決めた2つまたは3つのベクトルの和で表現する」

問題7

2次元のxy平面ベクトルにz軸の1次元空間の情報を加えて出来るXYZ空間ベクトルはxy平面ベクトル、Z軸の情報に対して何と呼ばれているか

和空間が正解です

異なる向きの直線(一次元空間)や平面(二次元空間)がある時に、次元を増やして、どちらに関する情報も表せるようにした空間が和空間と呼ばれます。
なお、理論上は2つの平面同士の和空間を考えてもいいのですが、高校数学の世界観でイメージするなら平面に直線の情報を加えた……という風に考えるのがいいように思えます。

問題8

行列Aに対して、右からかけると積が0ベクトルになる列ベクトルのことを何というか?

Kerが正解です

KerはKernel(カ一ネル)という「核」という意味の単語が元になっています。
行列の計算は0でないもの同士をかけても成分が全て0の行列になることがあるため、Kerを考える意味があります。

問題9

行列の計算規則として成立していないものはどれか?

かけ算の交換法則が正解です

行列に関してはかけ算の交換法則が成り立たないので、式変形が特殊になりやすいので注意しましょう。
なお、行列のような「かけ算の交換法則」のみが成り立たない状況のことは「可換ではない環」と呼ばれるので、余裕があれば合わせて知っておきましょう。

問題10

行列Aと,単位行列Eにおいて(A-λE)の行列式が0になるスカラ-λを何というか?

固有値が正解です

単位行列は行列の世界における1のようなものであり、λ倍した単位行列との差の行列式をとると0になるということは、該当の行列はあたかも単位行列の数倍のように見えることから、行列の持つ固有値とされています。

問題11

行と列を入れ替えた行列のことを何というか?

転置行列が正解です

高校のテストであまり転置行列という言葉が出てくることはありませんが、言葉は割と単純なので知っておいてもいいでしょう。
なお、転置行列であることを表記するには、行列の左上に小さく「τ」(タウ)をつけるのが一般的とされています。

問題12

行列式の変形において、連立方程式の加減法のように別な行を数倍した値を引く方法

行基本変形が正解です

行列は連立方程式と密接な関係があり、加減法は連立方程式の基本的な計算方法の一つであることから基本変形と呼ばれています。
行列式においては行単位で引くのではなく、列単位で引くことができるため、区別するために問題文の変形は行基本変形と呼ばれています。

問題13

行数や列数が大きい行列式を複数の行と列が小さい行列式に分割して計算すること

余因子展開が正解です

一つの大きな行列式を複数の小さい行列式の和で表している様子が展開と式の形が似ていることから名称に展開が付いています。
行列式の計算の基本は可能な限り0の成分を増やすように変形することなのですが、状況によっては変形の途中で余因子展開をした方が早い時もあるので上手く使い分けましょう。

問題14

ある行列Aに対してかけると単位行列になる行列のことを何行列というか?

逆行列が正解です

行列の世界において単位行列Eは数字でいう1に対応します。
そのため、行列Aとかけると単位行列になる行列は数字でいう逆数のようなものであることから逆行列と呼ばれており、A-1と表記されます。

問題15

単位行列を示すアルファベットは一般的には何が使われるか

Eが正解です

Eはelmentary(エレメンタリー)という「基礎的な」という意味を示す単語から来ています。
単位行列は行列同士でのかけ算を行っても計算結果は計算前と同じであることがかけ算における1のようにに似ていることからそのように呼ばれています。

問題16

関数の定義域と値域が一対一の対応になっていること

単射が正解です

単射、全射は本来関数を拡張した写像で使われる用語ですが、関数で説明すると以下の通りです。

  • ・単射……定義域と一対一の対応になっていること
  • ・全射……値域が全ての実数であること
また、関数が全射でありかつ単射でもあるもののことは全単射と呼ばれるので合わせて押さえておきましょう。

問題17

行列において、行と列を入れ替えた行列との積をとると単位行列になるもの

直行行列が正解です

逆行列が行列の縦と横を入れ替えたものであり、逆行列と直行しているように見えることから直交行列と呼ばれています。

問題18

関数の値域が全ての実数であること

全射が正解です

単射、全射は本来関数を拡張した写像で使われる用語ですが、関数で説明すると以下の通りです。

  • ・単射……定義域と一対一の対応になっていること
  • ・全射……値域が全ての実数であること
また、関数が全射でありかつ単射でもあるもののことは全単射と呼ばれるので合わせて押さえておきましょう。

問題19

関数のうち、値域が全ての値をとるもの。

Ontoが正解です

関数の数字の対応が特殊なものには名前がつけられており、以下の2種類が対応しています。

  • 1to1……単射……1対1対応
  • Onto……全射……値域が全ての値
個人的には「単射」や「全射」の方が見るイメージなので、合わせて抑えておきましょう。

問題20

以下のうち、関数の別名を示しているものはどれか?

写像が正解です

数学の専門家が写像という言葉が出てきたらは関数の別名だなと思ってもらえるとイメージしやすいです。
基本的には関数と同じものを表しているのですが、「写像」は関数を2つの集合の対応という視点で捉え直しているものであり、そうすることでより抽象的に物事を考えることが出来ます。

問題21

関数の入力ガ1対1対応である事の別名

1to1が正解です

関数の数字の対応が特殊なものには名前がつけられており、以下の2種類が対応しています。

  • 1to1……単射……1対1対応
  • Onto……全射……値域が全ての値
個人的には「単射」や「全射」の方が見るイメージなので、合わせて抑えておきましょう。