問題1
座標平面にA(1,2)とB(3,5)がある、この時のベクトルABを求めよ。ただし、ベクトルABとはAの位置を基準としてどの方向にどのくらい進めばBにたどり着くかを示したのとする
(2,3)が正解です
A(1,2)とB(3,5)であるので、Aからx軸方向に2進めるとBのx座標と同じ3,Aからy軸方向に4進めるとBのy座標と同じ7になります。
ベクトルの概念単体では座標平面の問題を解くことにはやくには立ちませんが、次の問題以降に確認する内積や三角比の知識を合わせて使用することができると座標平面内の面積を非常に楽に求めやすくなります。
問題2
座標平面上のある点A(ax,ay),B(bx,by)において、線分ABの中点の座標を示したものとして適切なものはどれか。
なお、a,bはそれぞれ原点からのA,Bの位置ベクトルを示したものとする。
(ax+bx2,bx+by 2)が正解です
図形と方程式の問題にさらっとベクトルが出ていますが、基本的にベクトルを知らなくても消去法で解けるような問題設計にしています。
そして、線分ABの中点についての表記は以下の通りです
- 座標を用いた表記:(ax+bx2,bx+by 2)
- 位置ベクトル表記:a+b2
AとBの真ん中にあたる点であるので、まずx座標についてはAとBのちょうど中間の値であることから、足して2で割ればいいといえます。
これはy座標に関しても同じことがいえるので、同様の理屈から解答の通りの座標の表記が成り立ちます。
問題3
二直線が垂直である条件として正しいのはどちらか
内積が0が正解です
本問題は図形と方程式がベクトルのいずれかが分かれば解けますが、二直線が垂直であるといえる条件は以下の通りです。
- 直線の方程式:傾きの積が-1
- ベクトル表記:内積が0
また、垂直であるとベクトルの内積が0になる理由は以下の式のうち、cosθが0になるためです。
- (内積)=|a||b|cosθ
問題4
二直線が並行である条件
傾きが等しいが正解です
本問題は図形と方程式がベクトルのいずれかが分かれば解けますが、二直線が平行であるといえる条件は以下の通りです。
- 直線の方程式:二直線の傾きが等しい
- ベクトル表記:片方の直線の実数倍で表せる
問題5
点Mに対して点Qに対称な点Aの求め方として、正しいものはどれか?
なお、qは点Qの位置ベクトルであり、MQはMからQに向かうベクトルであるものとする
中点の公式の利用が正解です
点に対して対称移動した点を求める方法については以下の通りです。
- 図形と方程式:中点の公式の利用
- ベクトル:q+QM
- 行列:点Mを中心に180°回転移動する
- x座標について:2=(1+ax)2
- y座標について:3=(1+ay)2
問題6
点Pにおいて、直線lに対して対称な点Qの一般的な求め方
与えられた点Pと求める点Qの中点を出すが正解です
点Pにおいて、直線lに対して対称な点Qの求め方の中で個人的に分かりやすいものには以下の解法と考えます。
- 直線lに対して垂直となる直線の方程式を出す。
- 与えられた点Pと求める点Qの中点Mを出す
- 中点と与えられた点Pの情報から、点Qを導出する
また、中点Mを用いずに点Pと直線lの距離を用いる場合、やろうとすれば以下のような流れで解けないことはないのですが、こちらは計算量が多くなるので、一般的ではありません
- 点Pと直線の長さを求める
- 点Pを中心に半径が2倍の円の方程式を作成する。
- 点Pを通り、直線lに対して垂直な直線の方程式を求める。
- 直線lの方程式と円の方程式の交点を求め、適切な方を選ぶ
問題7
点Pと直線lの距離の導出方法として正しいものはどれか
直線に垂直になるベクトルから導出する。が正解です
点と直線の距離の公式については、管理人も高校のころどのように対処すればいいか分からず苦手でした……
公式丸暗記するには複雑だから頭に入らないし、導出するにも面倒なものばかり……なのでピンとくる対処法があれば教えてほしいです。
じつは点と直線の距離の導出方法はたくさんあるのですが、管理人がしっくりきたのは以下の二つなので、確認してみるといいでしょう。
- 三角形の面積を2通りで表す
- 直線に垂直になるベクトルから導出する
- 〇三角形の面積を2通りで表す方法の概要
- 点Pからx軸,y軸に平行な直線を引き、x軸方向が底辺,y軸方向が高さの直角三角形の面積を出す
- 先ほど作成した三角形の直線lの部分を長さを求める
- 工程2で求めた長さを底辺とすると、高さは求める距離dとなるので工程1で作成した面積と等号で結ぶ
- 方程式をdについて解く
- 〇直線に垂直になるベクトルから導出する方法の概要
- 内積が0になる任意のベクトルαnを求める(αは任意の実数とする)
- 点Pからαnだけ移動した結果直線l上の交点Hにぶつかるように点Hを仮定する。
式を記載すると、PH=αn - αの値を求める
※具体的にはh=p+αnとし、Hが直線l上にあることから方程式を組む
- 以下の点Pを中心とする半径rの円を作成する
- 直線の方程式の左辺をxのみ、又はyのみに変形し、円の方程式に代入する/li>
- x又はyの二次方程式ができているはずなので、判別式Dの式を作成する
- 接している、つまり解が一つであればよいので、判別式Dが0となるようなrを求める