thumbnail 一問一答の一歩

問題1

整数の2乗を並べた数列のことは何数列というか?

平方数列が正解です

二乗することは平方とも呼ばれるので時千数の二乗の数字を並べた数列のことを平方数列と呼ばれることもあります。平方数列という言葉自体はメジャーでなく「自然数の2乗の数列」という表記がなされることもありますが、問題に時々登場することがあるので、本題では平方数列として出題しています。
また、平方数列の特徴を述べると以下の通りです。

  • 平方数列:1,4,9,16,25,36,……
  • 一般項:n2
  • 階差数列:初項3,公差2の等差数列
  • →階差数列に奇数が続いたら平方数学を疑うといい
  • 平方数列の和:n(n+1)(2n+1)6

問題2

数列の一つの項とその次の項の差を取った数列は何と呼ばれるか

階差数列が正解です

階差数列は元の数列に対してサブとして発生する数列であり、例を挙げると以下の通りです。

  • 元の数列:1,4,9,16,25
  • 階差数列:3,5,7,9,11
元の数列と階差数列を見比べてみると、元の数列に階差数列の値を足すと元の数列の次の項の値になっていることが分かります。
そのため、元の数列の規則性が見いだせなかった場合には、まず階差数列をとってみるといいでしょう。

問題3

数列の和のこと

数級が正解です

数列の和は数級と呼ばれており、代表的な等差数列と等比数列の和については以下のように表されます。

  • 等差数列の和:{(初項)+(末項)}×(項数)2
  • 等比数列の和:(初項){1-(項比)(項数)}1-(項比)
また、他の選択肢の漸化式は一つ前の項と次の項の関係を示した関係式のことを示しています。

問題4

和であることを表す記号

Σが正解です

和のことは英語でSum(サム)と表記されます。
しかし、Sumを示す頭文字のSはS(x)という形ですでに足し算の結果の関数として使用されていたので、同じ文字を示すギリシア文字のΣ(シグマ)が使用されています。
本サイトではΣの表記を一部省略しているのですが、Σ記号の読み方は下に書いてある数字を当てはめたものから足し始めて、上の数字と一致するまで1ずつ増やしながら足していくという意味であり、具体例を示すと以下の通りです。

  • Σk=13ak=a1+a2+a3

問題5

等差数列の一般項の導出方法

初項に対し項差dを足した回数(n-1)かけた数字を加えるが正解です

等差数列とは一つ前の数字と一つ後ろの数の違いが同じ数列であり、具体例を挙げると以下の通りです。

  • (例)1,3,5,7,9,11
この数列は一つ左の数に2を加えた数が右の数字になっており、具体例な数字を挙げると以下のようになっています。
  • 3=1+2
  • 5=3+2
  • 7=5+2
そのため、各数字を一番左の数を基準として書くと以下のように書き換えられます。
  • 3=1+2=3=1+2×1
  • 5=(1+2)+2=5= 1+2×2
  • 7=(1+2+2)+2= 1+2×3
そのため、この数列の未知の番号については以下のように求めることができます。
  • (一番左の数)+(加える数)×{(左から数えて何番目か)-1}

問題6

等比数列の一般項の導出方法

初項に対し項比rをかけた回数だけかけるが正解です

等比数列は左の数に一定の数をかけた数が右にくる数列のことであり、具体例を挙げると以下の通りです。

  • (例)1,2,4,8,16
なお、補足しておくと各項は以下のようになっています。
  • 2=1×2
  • 4=2×2
  • 8=4×2
そして、各項を一番左の数字を基準にして書くと以下のように表すこともできます。
  • 2=1×2
  • 4=(1×2)×2
  • 8=(1×2×2)×2
このことから等比数列の一般項は以下のように表わされます。
  • an=a1×rn-1

問題7

等差数列の和の公式の導出

同じ数列を順番を反対にして足し合わせ、2で割るが正解です

等差数列とは一つ前の数字と一つ後ろの数の違いが同じ数列です。

  • 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9

これの順番をひっくり返した数列を記載すると以下の通りです。
  • 9, 8, 7, 6, 5, 4, 3, 2, 1

上記の2つの数列の各項を足し合わせると以下のように各項の数字を同じにすることができます。
  • 10,10,10,10,10,10,10,10,10

同じ数字にすることができれば、掛け算を使用することができるので足し合わせた後の数列の合計値は以下の計算式によって求められます。
  • 各項の値10×項数9=90
ここで求めた合計90は数列を2つ合わせたものの和なので、一つの和にするために2で割って元の数列の合計を求めます。
  • 90÷2=45

問題8

等比数列の和の公式の導出

元の数列に公比をかけた数列を準備をし、元の数列を引くが正解です

等比数列とは左の数字にある数字(公比と呼ばれて、例では2)をかけることによってできる数列です。

  • (例)1,2,4,8,16
この数列の全ての和Sを求めるには数列に公比(ここでは2)をかけたものを準備します
  • 2S= 2+4+8+16+32
  • S= 1+2+4+8+16
ここで2SからSを引くと以下のようになります。
  • S=-1+0+0+0+ 0+32
また、この計算の一連の流れは(等差数列)×(等比数列)の和でも使用されるので、導出方法を覚えるようにしましょう。

問題9

(等差数列)×(等比数列)の和の導出方法はどちらの和の公式の証明と同じか?

等比数列が正解です

(等差数列)×(等比数列)となる数列の例としては以下のものが挙げられます。

  • 1×1,3×2,5×4,7×8

※左は初項1,項差2の等差数列
※右は初項1公比2の等比数列
このときこの数列の和をSとおくと以下のように表せます。
  • S=1×1+ 3 ×2+ 5 ×4+ 7 ×8
ここで、右の項の数列の公比2をかけた数列を準備すると以下のようになる。
  • 2S= 1 ×2+ 3 ×4+ 5 ×8+7×16
ここで2SからSを引いて式変形を行うと以下のようになります。
  • S=1×1+(3-1)×2+(5-3)×4+(7-5)×8+7×16
  • =1×1+ 2 ×2+ 2 ×4+ 2 ×8+7×16
  • =1×1+ 2 ( 2+ 4 + 8 )+7×16
  • =(初項)+ 2 ( 等比数列の和 ) +2×(末項)
以下の全ては計算で求めることができるため、間接的に(等差数列)×(等比数列)の和も求めることができます。
  • 初項
  • 等比数列の和
  • 末項

問題10

階差数列がわかるときの元の数列の一般項の出し方

初項に階差数列の和を足すが正解です

元の数列をan,階差数列をbnで表すと元の数列は以下のようにあわわスことができます。

  • a2=a1+b1
  • a3=a2+b2=a1+b1+b2
  • a3=a3+b3=a1+b1+b2+b3
階差数列の定義と上記の式から元の数列の一般項は以下のように表せると予想できます。
  • a2=a1+Σbn

問題11

以下のうち、整数の和の2乗と値が等しくなるものはどれか

整数の3乗の和が正解です

整数の累乗の和については以下のようになっています。

  • 整数の和:n(n+1)2
  • 整数の2乗の和:n(n+1)(2n+1)6
  • 整数の3乗の和:{n(n+1)}222
整数の3乗の和に関しても、導出が難しい割には、整数の和をそのまま2乗したものであり、比較的覚えやすいので、公式をそのまま覚えてしまっても問題ないように思えます。

問題12

整数の2乗の和

n(n+1)(2n+1)/6が正解です

整数の累乗の和については以下のようになっています。

  • 整数の和:n(n+1)2
  • 整数の2乗の和:n(n+1)(2n+1)6
  • 整数の3乗の和:{n(n+1)}222
2乗の和については導出についても難しく、知っていないと対応が難しいので、確実におさえておきましょう。

問題13

an+1=pan+qの形の漸化式の一般項を求めるには
特性方程式λ=pλ+qを求める必要がある。何故?

公比pの等比数列を作るためが正解です

まず、「漸化式の形式が出てきたら特性方程式を作る」ということ自体は他のことから導出できないので、この点については覚えましょう。
しかし、それだけでは何をすればよいのかすぐに計算が浮かびにくく、特性方程式を作る目的も一緒に覚えて初めて知識として定着しやすくなります。
また、隣接2項の漸化式の特性方程式の具体的な計算の流れに関しては以下の通りです。

  • an+1=pan+q
上記の漸化式に対してan+1、及びanをλと置き換えた特性方程式は以下のようになります。
  • λ=pλ+q
※上記の特性方程式には何か特別な意味があるわけではありません。この方程式を考えると下記のようにたまたま計算がやりやすくなったからみんなが使っているに過ぎないです
漸化式から特性方程式を引いてあげると以下のようになります。
  • an+1-λ=pan-pλ+q-q
  • an+1-λ=pan-pλ
  • an+1-λ=p(an-λ)

ここで、bn=an-λとなるような数列bnを作成し
an-λをbnに置き換えると以下のようになります。
  • bn+1=p(bn)

このbnの漸化式は前の項に同じ数pをかけて次の項を作成するため等比数列といえます。

問題14

an+2+pan+1+qan=0の形の残化式の一般項を求めるには特性方程式λ=pλ+qλ+rを求める必要がある。何故?

公比λの等比数列を作るためが正解です

問題文のような形の漸化式は隣接3項の漸化式と呼ばれており、難しい分野です。 そのため、隣接三項の特性方程式の具体的な解法は余裕がある人だけ知っておけばいいでしょう。
しかし、「等比数列を作る」という目的は隣接2項の漸化式と同じであることだけ押さえておくと、勉強はだいぶやりやすくなります。

問題15

11×2+12×3+……1(n−1)×nのような形になったとき、一つ一つの項をどのような風に変形していくと変形しやすいか

引き算に直すが正解です

解答にある分母が掛け算表記になっているものを引き算表記に直すことは「部分分数分解」と呼ばれており、覚えていないと対応ができないことからも覚えておきましょう。
第1項の分数を例にとって部分分解をするには、以下のkの方程式の解を探せばよいです。

  • 12×3=k{1213}
中身は一次方程式であるので具体的な解き方についてはこの場では省略しますが、方程式の右辺については以下のようにゴールから考えると比較的しっくりきやすいです。
仮に上手く引き算の形に変形することができたのならば以下のようになり、解く立場としてはめちゃくちゃ都合がいい。
  • 11×2+12×3+……1(n−1)×n
  • ={1112}+{1213}+{1314}+……+1n−11n]
  • =1+{−12}+12}+{−13+13}+{−14+14}……−1n]
  • =1+0+0+0+……−1n
  • =1−1n
※本当に成り立つかはどうかは各項について自分で方程式を組んで計算してほしいのだが、少なくとも上記の例については実際にやってみるとどの項においても解は以下のようになるはずである。
  • k=1
また補足ですが、分数の数列の和というのは求めることが難しく、現在でも大学で研究されているほど奥が深いので、興味がある方のためにリンクを共有しておきます。

問題16

群数列で先に考えるべきものはどちらか

群の最後の数字の規則性が正解です

問題17

終わりが定められていない等比数列の和のことを何というか

無限等比数級が正解です

数級の中でも、無限に続く等比数列の和をことを等比数級と呼んでいます。 項が有限である等比数列の和の式は以下のように表されます。

  • (初項){1-(項比)(項数)}1-(項比)
しかし、項数が無限の場合は特殊な処理を行う必要があり、-1≦(項比)≦1の場合は補正によって以下の式で表されます。
  • (初項)1-(項比)

また大学入試にでることはないのですが、無限等比数級の逆演算のことを「テーラー展開」と呼ばれており、無限等比数級を拡張したもののことを「解析接続」と呼ばれています。