【一次方程式】ボックス図を用いた個数と代金の問題の解き方
方程式の文章題は誰しもが、つまずく分野である。ではこれはいったい何が難しいのか
「文章を式に落とし込むことが難しい。」
これらの問題に対処するためには、問題の状況を視覚的に理解できるようにする必要があり、機械的に図を用いて可視化できるようにすることが重要となってくる。
方程式の文章題に出てくる問題は大きく以下の3つに分かれており、それぞれ効果的な図の書き方は違っている。
- 代金と個数の問題
- 濃度に関する問題
- 速さの問題
その中でも、「代金と個数の問題」の効果的な図を説明しているサイトが見つけられなかったので、この場で情報共有を行う
STEP1ボックス図とは
ボックス図とは、お金に関する整理を行うための図であり、商業高校での会計の授業や経理として働いたら必ずと言っていいほど見ることになる図である。
実はボックス図にも複数種類あるのだが、今回取り上げる図のイメージとしては以下のような図である。
STEP1-1ボックス図の記載のポイント
○ポイント1:3つの情報をセットにして書く
そして、上記の図からも分かる通り、各商品の情報に関しては以下の3つの情報がセットになっています。
- 合計金額
- 単価
- 個数
そして、上記のボックス図の合計金額、単価、個数の記載位置にも意味があり、速さでいうみはじの円のように求めたいものを隠せば以下のように計算できるように対応させて書いている。
- 合計金額=単価×個数
- 単価=合同金額/個数
- 個数=合計金額/単価
○ポイント2縦幅をお金で統一する。
方程式は「2つの物事が等しい」ことをもって等式を作成します。
そのため、視覚的に金額が等しいことを示すために縦幅は金額を表すものとします。
STEP2:例題
5人家族のAさんは、コンビニにいって130円のおにぎりと230円のチキンを合わせて5つ購入した。予算として渡されていた850円をぴったり使い切ったとき、Aさんの購入したおにぎりの数を求めてください。
STEP3ボックス図に分かる情報を書き込みます。
まず、上の図に示したボックスのフォーマットに分かる情報を書き込みます。
分かる情報は具体的には以下の通りです。
おにぎりの単価:140円
チキンの単価:240円
合計金額:850円
この分かっている状況を図に書き込みむと、以下の通りです。
STEP4:問題文から直接分からない情報について文字を用いて表す。
図に書かれていないことから以下の4つであることが分かる。
- おにぎりの合計金額
- おにぎりの買った個数
- チキンの合計金額
- チキンを買った個数
これらの情報は問題を読んでも分からないので、文字を用いて表す必要があります。
どれに該当する数字を文字にして表すかは迷うところですが、基本となる考え方は以下の通りです。
- 原則:問題で聞かれている情報を文字で表す
- 例外:計算しやすい文字の表し方があれば、該当するものを文字で表す。
今回は原則に従っておにぎりの数を文字xで表して考えます。
そうすると、残りの情報に関しても以下のように埋まります。
- チキンの個数:「おにぎりとチキンを合わせて5つ購入した」から(5-x)個
- 合計金額について:(合計金額)=(単価)×(個数)であることからxを用いて表せる。
具体的に埋めたボックス図は以下のようになっています
STEP5:図から等式を作る
ボックス図において、高さが等しい項目の合計金額は同じになるように設定されているので、図から以下の等式が作れます。
140x+240×(5-x)=900
そして、これを解くと
140x+1200-240x=900
100x=300
x=3
となり、購入したおにぎりの数が3つであると分かります。
補足少し難しめの状況について
〇おつりがある場合
おつりがある場合は「おつりの金額ももらった」というふうに考えることで、以下のような図を書けばよい。
〇高校の簿記ではどのように使われるか
高校の簿記になってくると、同一の商品を時間ごとに別々の商品として扱うことになります。
ただ、ここからは発展的な内容であるので、気になる方は、続きを読んでくれると幸いです。