thumbnail 一問一答の一歩

問題1

紙と油を絶縁体にするケーブルはどれか

OFケーブルが正解です

OFはOil Filledの略称であり、Oill(オイル)は油、Filledは「埋められた」という意味を持つ英単語です。
OがOillであると名前から推察できるようになれば、見たしゅんかんに連想できるようになるはずです。
また、CVケーブルはポリエチレンを絶縁体にするケーブル全般を指します、CVTケーブルはCVケーブルの一部であり3本をより合わせたCVケーブルを指します。

問題2

ポリエチレンを絶縁体にするケーブルの中でとくに3本をより合わせたものは何と呼ばれているか

CVTケーブルが正解です

CVケーブルはCross-linked polyethylene insulated Vinyl sheath cableの略称です。
正式名称を覚えららればベストなのですが、長すぎて無理に近いので、正確性は落ちますが、私は「Cross polyethylene Vinyl cable」(クロス、ポリエチレン、ビニール、ケーブル)で覚えていました。
CVケーブルはポリエチレンを絶縁体にするケーブル全体を指しており、その中で特に3本をよりあわせたものは3を表すTrippleをつけてCVTケーブルと呼ばれています。

問題3

地中の防護物内にケーブルを収める埋設方法であり、設置工事が簡単という特徴を持つものはどれか

直接埋設方式が正解です

直接埋設方式はその名の通り、ケ-ブルを直接地中に埋めます。
開けたりしやすい専用の防護物を用いていない分電線を通して埋める手間が少なくなる分、開けたりしにくいので点検作業は大変になります。
また、他の選択肢の管路式はコンクリートに穴を開けて電線を通す埋設方式、暗きょ式は設置工事が複雑な代わりに点検が容易な地中埋設方法です。

問題4

コンクリートに穴を開けて電線を通す埋設方式で、熱によって許容電流が小さい埋設方法はどれか

管路式が正解です

コンクリートに管のような穴を開けて、それを電線の道路としていることから管路式と呼ばれています。
また、管の中は狭く、他の埋設方法と比較すると熱がこもりやすいことから許容電流は小さいと予想できます。
直接埋設方式は地中の防護物内にケーブルを収める埋設方法であり、設置工事が簡単な代わりに点検作業が難しいもの、暗きょ式は設置工事が複雑な代わりに点検が容易な地中埋設方法です。

問題5

蓋のある用水路、排水溝の中に電線も一緒に入れる地中埋設方法で、点検作業をしやすい特徴を持つのはどれか?

暗きょ式が正解です

暗きょという言葉がそもそも蓋のある用水路、排水溝のことを指しています。
暗きょの中に入っているのは電線だけでなく、水も通っていることがあり、割と多機能です。
他の選択肢の直接埋設方式は地中の防護物内にケーブルを収める埋設方法であり、設置工事が簡単という特徴があります。また、管路式はコンクリートに穴を開けて電線を通す埋設方式です。

問題6

冷却水の管路に冷却水を循環させるケーブル冷却方法はどれか

間接水冷方式が正解です

ケ-ブル内の冷却水の循環は以下のように分けられています。

  • 内部冷却……ケーブル内に冷却水を循環させること
  • 外部冷却……ケーブル外部で冷却を循環させる方法であり以下の二つに分類されます。
    • 直接水冷方式……ケーブル管路に冷却水を循環させる冷却方法。
    • 間接水冷方式……冷却水の管路に冷却水を循環させる方法

問題7

ブリッジ回路を用いて故障点を測定する方法

マーレーループ法が正解です

マーレー(Mare)は「海」、ループ(loop)は「円上に繰り返す」という意味を持ちます。
ブリッジ回路は直列回路や並列回路に比べるとやや複雑になっていることからブリッジ回路を海(Mare)に見立てて、周回することで故障点を探すことからマーレーループ法と呼ばれています。
他の選択肢も全て故障点を測定するという点では共通していますが、パルスレーダー法はパルスを送り、直流漏れ電流測定は直流高電圧を送るので測定方法が異なっています。

問題8

故障したケーブルにパルスを送る故障点測定方法

パルスレーダー法が正解です

Pulse(パルス)は「急激な変化をする信号」、radar(レーダー)は「物の位置を図る機械」をそれぞれ意味しています。
通常の運用で流れるはずのない一瞬だけ強く変化する電気を流してパルスが流れている点を検知することで故障している場所を特定します。
また、マーレ―ループ法はブリッジ回路を用いて故障点を測定する方法、直流漏れ電流測定は直流高電圧を送ることによる絶縁劣化測定法です。

問題9

静電容量の測定によって故障点を測定する方法

静電容量測定法が正解です

ケーブルの静電容量は故障していない部分の流さに比例します。
このことは、裏を返すと故障している場合は故障していない場合と比較すると静電容量が低くなるといえるため、そのことを利用した故障点測定方法です。
部分放電法はケーブルに高電圧を加えた時の部分放電の有無から絶縁劣化測定方法、誘電正接法は誘電損正接の値の変化による絶縁劣化測定方法です。

問題10

直流高電圧を送ることによる絶縁劣化測定法

直流漏れ電流測定が正解です

絶縁性能が低下している場合には放電が起こり、その時は電流が極端に上昇します。漏れ電流から異常を測定する場合、漏れ電流に混ざった放電による電流上昇の有無も異常判定の判断基準のひとつになっています。
その場合、直流だと、交流電流特有のパルス波による電流急上昇を考慮する必要がないので判定がしやすくなるから直流が使われていると理解しています。
また、他の選択肢の部分放電法はケーブルに高電圧を加えた時の部分放電の有無から絶縁劣化を測定する方法、パルスレーダー法は故障したケーブルにパルスを送る故障点測定方法です。

問題11

誘電損正接の値の変化による絶縁劣化測定方法

誘電正接法が正解です

誘電はコンデンサによって貯めている電気ということから呼ばれており、正接は大きさの計算にtan(=高さ/底辺)を用いることから来ています。
誘電正接は難しい概念ですが、交流電流をコンデンサに流した時に発生する進み電流によって失う電気エネルギーと考えるとイメージしやすいです。(厳密にはもう少し複雑です)
他の選択肢の部分放電法はケーブルに高電圧を加えた時の部分放電の有無から絶縁劣化測定方法、静電容量測定法は静電容量の測定によって故障点を測定する方法です。

問題12

絶縁油の性質を測定することによって絶縁劣化測定方法

絶縁油中ガス分析法が正解です

絶縁オイルの中で放電が起こると、化学反応をおこして気泡が発生する性質があります。この変化不可逆変化であるため、気泡が異常に多い部分は放電をたくさん起こしていると推測する方法が絶縁油中ガス分析法と呼ばれています。
また、他の選択肢のパルスレーダー法は故障したケーブルにパルスを送る故障点測定方法、静電容量測定法は静電容量の測定によって故障点を測定する方法です。

問題13

シースの円周方向に電流が流れることにより発生するシース損はどちらか

渦電流損が正解です

シ-ス回路損と渦電流損は似た状況で発生するのでややこしいのですが、二つの電流の向きを箇条書き形式で記載すると以下の通りです。

  • 渦電流損……シースの円周方向
  • シース回路損……シースの軸方向

問題14

シースの軸方向に電流が流れることにより発生するシース損はどちらか

シース回路損が正解です

(Sheah)シ-スは「カバー、ドレス」のような意味を持ちます。
本来流れるべき導線内の金属部分ではなく、電流が流れにくいカバー部分に電流が流れるので、電気抵抗が大きく、金属部分に流れた方が効率よく電気が流れるので損失になっています。
なお、渦電流損もシース損であることは共通してはいますが、シースの円周方向に電流が流れることにより発生するものです。

問題15

誘電正接、比誘電率が小さいケーブルはどちらか

CVケーブルが正解です

比誘電率は物質ごとにきまっており、絶縁オイルよりもポリエチレンの方が低いとされています。
誘電正接、比誘電率が小さいことはCVケーブルの大事な特徴なので、確実におさえておきましょう。

問題16

高低差があっても使用できるケーブルはどちらか

CVケーブルが正解です

どちらが高低差があっても利用できるかはケ-ブルの材質に注目すると理解しやすいです。
OFケ-ブルは液体の絶縁油を使用しているため、高低差がある場所で利用してしまうと絶縁油が下の方に流れてしまいます。そのため、上の方の絶縁能力が落ちてしまい、危険なので高低差がある場所でOFケ-ブルを使用することは出来ないとされています。
それに対して、CVケーブルは固体のポリエチレンであるため、高低差があっても問題なく使用できます。

問題17

最高許容温度が高いケーブルはどちらか

CVケーブルが正解です

OFケーブルの最高許容温度は約80C°は、CVケーブルの最高許容温度は約90C°です。

問題18

水トリ―現象による亀裂が発生しないのはどちらか

OFケーブルが正解です

水トリ―現象とは、絶縁体に浸透した水や異物が放電を繰り返し起こすことで、木の枝葉状に劣化を起こしていく現象です。
CVケーブルは固体のポリエチレンで絶縁しているので水トリ―現象による亀裂が発生します。
OFケ-ブルは液体の油で絶縁しているため、劣化した部分に何度も放電が起こりにくいため、そもそも水トリ-現象が発生しません。

問題19

3心共通CVケーブルと比較したCVTケーブルの特徴として間違えているものはどれか

短絡しやすいが正解です

CVケ-ブル3心とCVTケーブルの違いはケ-ブル構成にあります。
CVケーブルの3心は一つのケ-ブルに3つの導線が入っているイメージであるのに対して、CVTケーブルは3つのケ-ブルがくっついた状態で並んで設置されています。
CVTケーブルの特徴には以下のものがあげられます。

  • 許用電流を大きい……導線同士が離れており、静電気が溜まりにくいため
  • 曲げやすい……CVTは細いのが3本ある構造のため
  • 短絡しにくい……導線同士が離れているため