問題1
送電時の三相不平衡を防止するために電線の場所を時々入れ替えること
ねん架が正解です
ねん架を漢字で書くと捻架と表記され、捻を訓読みで表記すると「捻る(ひねる)」と読みます。
3つ並んでいる電線を順番を入れ替えている様子が捻っている形になっていることから「ねん架」と呼ばれています。
他の2つの選択肢は法規の分野で出てくることであり、併架は高圧受電設備と低圧架空伝線の別の種類の電線を並べて施設すること、共架は用途が違う低高圧受電設備と架空弱電流電線を共存して施設することです。
問題2
電線と支持物を絶縁する器具
がいしが正解です
がいしの碍(がい)にはさまたげる、じゃまをするという意味があります。
電線の器具においては、電気が通ることを妨げる働きを持つのでがいしと呼ばれています。
ジャンパは鉄塔をはさんだ2つの電線の間に電流が流れるようにする器具です。また、遮断器は負荷電流が流れていても電路の開閉を行え、異常な電流も遮断もする器具です。
問題3
鉄塔をはさんだ2つの電線の間に電流が流れるようにする器具
ジャンパが正解です
ジャンパはJump(ジャンプ)という英単語とer「~するもの」という意味を表す接尾辞を組み合わせたものです。
電線は鉄塔からもう一つの鉄塔までしか繋がっていませんが、電気が一つの電線からもう一つの電線に移動することで、発電所から家までの長距離の電気の移動が実現されています。
電線から他の電線への移動があたかも電気がジャンプしているように見え、それを助ける器具であることからジャンパと呼ばれています。
がいしは電線と支持物を絶縁する器具、ダンパは送電線のおもりです。
問題4
送電線のおもりはどれか
ダンパが正解です
Dump(ダンプ)には「勢いをくじく」という意味があります。
電線は風の影響を受けやすく、強風が吹くことでギャロッピングと呼ばれる縦揺れがおき、混線や断線の原因にもなりえます。
そのために風が吹いた時に電線の揺れの勢いを抑える道具として重りとしてのダンパが使用されています。
ジャンパはダンパと言葉は似ていますが、こちらは鉄塔をはさんだ2つの電線の間に電流が流れるようにする全く異なる器具です。
問題5
送電線とがいしをつなぎ、また送電線とジャンパもつなぐ器具は何か
クランプが正解です
Clump(クランプ)は「固まり、集まり」という意味を持つ英単語です。
本来バラバラなパ-ツである送電線とがいし、ジャンパを集めて繋ぎ合わせることで一つの固まったパ-ツとして機能させる働きがあります。
他の選択肢もそれ単独で働くものではなく、他のパ-ツを正常に働くような補助パ-ツであることは共通していますが、アーマロッドは電線を断線やアークによる溶断を防ぎ、アークホーンはがいしの破壊を防ぐためのパ-ツであるので誤りです。
問題6
断線、アークによる溶断を防ぐための電線の補強材はどれか
アーマロッドが正解です
Armor(ア-マ-)は「防具」、rod(ロッド)は「棒」という意味を持つ英単語です。
電線を断線、アークによる溶断を防ぐための棒状の補強材であるためにアーマロッドと呼ばれています。
アークホーンも故障を防ぐ点では共通していますが、がいしの両端につける金属電極であるので棒状の鎧のようにはなっていないです。
また、ジャンパは鉄塔をはさんだ2つの電線の間に電流が流れるようにする器具です。
問題7
がいしの破壊を防ぐために両端に取り付けられる金属電極は何か
アークホーンが正解です
Hone(ホーン)には「角、突起物」という意味があります。
がいしはア-ク電流のような大きな電流が流れると破壊されていまいます。電流によるがいしの破壊を阻止するために突起状になっている電極をがいしの両端に配置していることからアークホーンと呼ばれています。
アーマロッドも破壊防止という点では共通していますが、こちらは電線を覆う補強材です。
また、ジャンパは鉄塔をはさんだ2つの電線の間に電流が流れるようにする器具です。
問題8
電線についた雪の落下の反動によって電線がジャンプすること
ストリートジャンプが正解です
Street(ストリート)は「道」、Jumpはそのままジャンプという意味を示します。
道路上にある電気の道(電線)がジャンプしているように見えることからストリートジャンプと呼ばれています。
サブスパン振動は10m/sこ超える風によって電線が振動すること、ギャロッピングは氷雪が付着した電線に風が当たることで電線が振動することです。
問題9
10m/sを超える風によって電線が振動すること
サブスパン振動が正解です
Sub(サブ)は「~下の」という意味の接頭辞、Span(スパン)には「幅、間隔」という意味を持つ英単語です。
二つを組み合わせたSubspanは柱と柱の間より小さいという意味から、「隙間」という意味に派生しています。
電線にはたいていダンパと呼ばれる重りが着いているので、10m/sの風では振幅がいわゆる隙間くらいの小さな振動で済むのでサブスパン振動と呼ばれています。
また、他の選択肢も電線と自然現象に関係しており、ギャロッピングは氷雪が付着することで風の影響を受けやすくなること、ストリートジャンプは電線についた雪の落下の反動によって電線がジャンプすることです。
問題10
ギャロッピングは氷雪が付着した電線に風が当たることで電線が振動すること
ギャロッピングが正解です
Galopp(ギャロップ)は「馬が全力で走ること」を示します。
電線に雪が付着することで、風の影響を受けやすくなり、比較的小さな風でも電線が大きく縦に揺れる様子が全力走っている馬にはちょっとした刺激で大きな縦揺れになることと酷似していることからぎゃロッピングと呼ばれています。
他の選択肢を電線の振動であることは共通していますが、条件や振動の仕方が異なっています。
具体的には、サブスパン振動は10m/sこ超える風によっておこる電線の比較的小さな振動、であり、ストリートジャンプは電線についた雪の落下の反動による大きな電線の振動です。
問題11
電荷を蓄えた雷雲による静電誘導による雷害はどれか
誘導雷が正解です
静電誘導による雷害であるので誘導雷と呼ばれています。
雷害は大きく以下の二つのように分類されます。
- 直撃雷
- 誘導雷
また、他の選択肢のフラッシオーバは送電線から鉄塔、地面に流れる現象は、逆フラッシオーバは架空池泉に落雷することで起こる鉄塔から送電線に電流が流れることです。
問題12
架空池泉に落雷することで起こる鉄塔から送電線に電流が流れることを何というか
逆フラッシオーバが正解です
flash(フラッシ)は「閃光、火花」という意味が、Over(オ-バ-)は「上に重なる、乗り越える」という意味をそれぞれ持つ英単語です。
フラッシオーバは送電線から電流が鉄塔→地面に流れる現象であり、火花をあげて本来電気が非常に通りにくい空気中を乗り越えるためにそう呼ばれています。
解答になっている逆フラッシオーバはフラッシオーバの逆向き、つまり鉄塔→送電線へと電流が流れる現象のことを指します。
また、誘導雷は雷が関わっていることは共通していますが、こちらは雷が落ちることでなく、雷雲による静電誘導を指しています。
問題13
受電端電圧が送電端電圧よりも高いこと
フェランチ効果が正解です
フェランチは発見した人のことを指しており、命名の由来は発見者からきています。
フェランチ効果は原因が電力系統にあるので内部過電圧に分類されます。
(原因が雷などの電力系統でない場合は外部過電圧と呼ばれます。)
電気は電圧の高い方から低い方に流れるので、フェランチ効果が発生すると電流の向きが逆転するために危険です。