問題1
原子力発電の発電効率は火力発電に比べて高いか低いか
低いが正解です
発電効率の良い順に並べると、燃料電池発電は35~60%、風力、火力発電は40%、原子力発電は33%、太陽光発電は15~20%になります。そのため、火力に比べて低くなります。
原子力発電ではエネルギー量は以下のようになlちています。
- (エネルギー)=(質量欠損)×(光の速さ)
問題2
中性子を吸収することで核分裂の発生を抑えるものはどれか
制御棒が正解です
核分裂は高速で動く中性子が陽子に当たることで発生するので、中性子を吸収してしまえば核分裂反応を抑えることができます。なお、減速材は中性子を減速させることで核分裂の連鎖を抑えるもの、冷却材は核分裂の熱エネルギーを外部に取り出すものです。
また、核分裂の具体的な仕組みについては、もう少し詳しく理解したい方のために解説動画のリンクを共有しておきます。
問題3
中性子を減速させることで核分裂の連鎖を抑えるものはどれか
減速材が正解です
核反応は、原子と中性子がとてつもない高速でぶつかって、原子核(の陽子の結びつき)が壊れることによって、発生します。
そのため、ぶつかる中性子の動きを遅くすることによって、仮にぶつかったとしても、核反応が起こらないようにすることができます。
制御棒は中性子を吸収することで核分裂の発生を抑えるもの、冷却材は核分裂の熱エネルギーを外部に取り出すものです。
問題4
核分裂の熱エネルギーを外部に取り出すものはどれか
冷却材が正解です
核分裂の熱を外部に取り出すということは熱を外に逃がして冷やすことと同義であることから冷却材と呼ばれています。
制御棒は中性子を吸収することで核分裂の発生を抑えるもの、減速材は中性子を減速させることで核分裂の連鎖を抑えるものです。
問題5
原子炉で直接蒸気を発生させる軽水炉はどれか
沸水型軽水炉が正解です
軽水は、普通の水のことを表しています。中性子の数が多い重水に対して軽いことから軽水と呼ばれています。
加圧水型軽水炉は原子炉で温めた高温水を用いて間接的に別の低温水を加熱して蒸気を作る軽水炉です。
それに対して、原子炉の熱を用いて直接沸騰させることによって蒸気を作る発電方式のことを沸水型軽水炉と呼んでいます。
問題6
原子炉で温めた高温水を用いて間接的に別の低温水を加熱する軽水炉
加圧水型軽水炉が正解です
物質の沸点は圧力が高いと高くなり、圧力が低いと沸点も低くなります。
原子炉のエネルギーはとても強いので、間接的に温めようとする場合、液体水の温度を高くする方が効率がいいと想像できます。
ただ、温めるプロセスで凝結があると熱効率が下がるため、圧力を加えて沸点を上げて運用しているため、加圧水型軽水炉と呼ばれています。
また、もう一つの選択肢の沸水型軽水炉は原子炉で直接蒸気を発生させる軽水炉です。
問題7
タービンや復水器が放射性物質に汚染されないものはどちらか
加圧水型軽水炉が正解です
加圧水型軽水炉は原子炉で温めた水を使って間接的に温めます。そのため、タービンを回す水蒸気は間接的に温められているので放射性物質に汚染されません。
問題8
軽水炉の中で熱効率が高いのはどちらか
沸水型軽水炉が正解です
沸水型軽水炉は直接温めて蒸気にしているのに対して、加圧水型軽水炉は間接的に温めています。そして、熱力学第二の法則より、熱で何かを温めると、必ず熱エネルギーは分散します。これらの二つのことから間接的に温める加圧水型軽水炉よりも直接温める沸水型軽水炉の方が効率がよくなります。
なお、熱力学第二の法則が怪しいようなら、以下の動画の解説で確認してみるといいでしょう。
問題9
沸水型軽水炉の原子炉を制御する方法として不適切なものはどれか
ホウ素濃度の調整が正解です
再循環ポンプは構造的に沸水型軽水炉にしか存在しないので加圧水型軽水炉には使用できません。
また、ホウ素には中性子を吸収して、核反応を妨げる働きがあります。ホウ素のような制御剤は、核反応に与える影響が大きいことから、間接的に熱を与える加圧水型軽水炉にのみ用いられます。
試験には役には立ちませんか、ホウ素は身近に感じにくいものであるので、どんなものであるかの解説リンクも共有しておきます。