thumbnail 一問一答の一歩

問題1

教科教育の役割として教育基本法が言っていないものはどれか

科学リテラシーが正解です

教育基本法の前文によると、教科教育には以下の役割があり、それらを満たすカリキュラムの教育を推進しているそうです。

  • ・伝統を継承する……先人が築きあげてきた知識や考え方を伝える
  • ・新たな文化の創造を目指す……将来、学んだ教科の知識を活かして仕事をする

問題2

教育基本法の目的

未来を切り開く教育の確立が正解です

教育基本法の前文によると、未来を切り開く教育の確立のために教育基本法を制定すると記載されています。
また、もう一つの選択肢は学校教育法の目的です。

問題3

教育基本法における教科教育は何のために行われているか?

幅広い知識と教養の習得が正解です

教育基本法2条によると、以下のことが目的として定められています。

  • ・幅広い知識と教養の習得
  • ・真理を求める好奇心を持って学ぶこと
  • ・道徳的な行動を取れること
  • ・健やかな身体
これは教頭(管理人)の解釈ですが、学校で多くの教科を同時並行で学んでいるのは、子どもというまだ何も知らない段階では適切な判断することが出来ないので、可能性を広げるためなのかなぁと理解しています。

問題4

教育基本法が提唱した義務教育の段階で重視して育てるべきことに当てはまらないものはどれか?

健全な批判力が正解です

教育基本法5条2項は義務教育について定めており、私は義務教育の段階では以下のことを重視して育てられるといいのかなと解釈しています。

  • ・各個人の得意な能力を見つけて伸ばす
  • ・自立して行動するための基礎を身に着ける
  • ・集団を形成し、協力しあう力
  • (※一番下の原文は国家及び社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養成する)
また、誤答である「健全な批判力」はクリティカル・シンキングとも呼ばれており、示されたことが本当に正しいのかを疑ったり自分で納得じっくり考え抜くことをイメージしており、個人的にはすごく大切なことだとは思っているので記載しました。しかし、義務教育においてはペーパーテストに向けて、外から与えられた知識をそのままインプットするがどうしても中心となってしまっており、むしろ邪魔になるものなので、義務教育の段階ではなく、高等教育の段階で身に着けられるといいのかな……とおもっています。

問題5

教育基本法が提唱している国や地方自治体が義務教育に対して持つ2つ責任に当てはまらないものはどれか

教育の偏差値の確保が正解です

国や地方自治体は教育現場と適切に役割分担しながら教育を実現する必要があり、義務教育に対して持つ責任は以下の2つとされています。

  • ・教育の機会の保障
  • ・教育の水準を確保

問題6

教育基本法は学習者が将来的に学問に対してどのようなスタンスで接するようになることを理想としているか?

真理を希求するが正解です

教育基本法の前文や2条には「真理を追求する」「真理を求める」が大事とありますが、教頭(管理人)の解釈で具体的にすると教育において以下のことが大事なのかなぁと考えています。

  • ・楽しく勉強する
  • ・日常の様々なことに対して知的好奇心を持つ
……とこれを口で言うのは簡単なのですが、学生の勉強はやらないといけないことが決まっているので両立するにはどうすればいいのかなぁと私も問題作成で頭を悩ませています。

問題7

教育基本法や学校教育法が道徳教育で重視していることに含まれないものはどれか?

経験の積み重ねが正解です

倫理学上、道徳は大きく2種類に分けられており、学校道徳を分類すると以下のようになります。

  • 〇社会道徳……社会での共生に必要な支配的な慣習,社会規範
    • ・個人の価値を尊重すること
    • ・正義と責任
    • ・男女の平等、自他の敬愛と協力を重んじる
    • ・生命
  • 〇個人道徳……人間の理想的な生き方を示すもの
    • ・自主、自律の精神
    • ・勤労を重んずる
    • ・自然を大切する
※各項目は教育基本法2条、学校教育法21条を参照しています。
 また、これらの全てをひっくるめて、豊かな人間性と呼んでいるそうです。
 なお、もう一つの選択肢である経験の積み重ねに基づいたものは、ルールとして定めていることは確かに多いのですが、社会での共生のために必要な道徳ではないので誤りです。
 大人は必ず守る法律と学校道徳の内容には被っているものは多いのですが、誤答の選択肢のように異なる論理のものもあります。学校教育法や学習指導要領で定めている道徳教育の考え方と法律の共通点や違いがどこにあるのかを管理人が学生の時に考察したことがあるので時間を撮れるかたは是非参考となる資料として見てみてください。

問題8

学校教育法における学校(1条校)の種類に含まれるものはどれか?

大学が正解です

学校教育法は法律の中でも珍しく、1条に用語の定義が書いてあります。
※覚える必要は全くありませんが、法律は以下のような構成になっているものが多いです

  • 1条:法律の趣旨、目的
  • 2条(目的の条文の後):用語の説明
話をもどしますが、学校教育法の対象となっている教育施設は1条校とも呼ばれており、具体的には以下のものが当てはまります。
  • ・幼稚園
  • ・小学校
  • ・中学校
  • ・義務教育学校(小学校+中学校)
  • ・高等学校
  • ・中等教育学校(中高一貫校)
  • ・特別支援学校
  • ・大学
  • ・高等専門学校

問題9

学校教育法において、加えることが認められている罰

懲戒が正解です

刑法学においては、罰は大きく以下の6種類に分けられていますが、ざっくりと下記の2つに分類されます。

  • 〇日本で使われている刑罰(懲戒)
    • ・財産刑……お金や持ち物を没収する罰
    • ・自由刑……移動の自由を奪ったり、強制的に働かせる罰
  • 〇日本では行ってはいけない刑罰(体罰)
    • ・名誉刑……精神的苦痛を与えることを目的とした罰
    • ・身体刑……身体的苦痛を与えることを目的とした罰
    • ・追放刑……生活圏から追い出す罰
    • ・生命刑……命を奪う罰
    • ※死刑は日本には一応存在するが、よっぽどの事でない限り適応されない例外という扱い。
刑罰の考え方には、被害者と同じだけの苦痛を与える考え方(応報刑)と悪いことを抑止する考え方(目的刑)があるのですが、法律学上一定以上罪を重くしても、抑止効果は変わらないとされています。
この結果を受けて、国際的にも罰を与えるなら懲戒で十分であり、苦痛を与えることが目的である刑罰は良くないよねという考えが浸透し、その結果拷問等禁止条約が定められています。
日本国憲法もその流れを受けて36条に残虐な罰を禁止しており、それ故に上記のような分類となっています。
これは教師が与える罰にも適応され、学校教育法11条で懲戒(財産刑、自由刑)はやってもいいけど、体罰は禁止とされています。
なお、死刑はやっていいのかということは法律学者の中でも意見が分かれて答えが出ていないことなので、余裕があれば一度立ち止まって考えてもらえるとうれしいです。

問題10

合理的配慮として普通教育を受けさせる義務はどこまで緩和できるか?

義務教育の猶予・免除が正解です

学校教育では平等が重視されていますが、憲法上の平等は何でもかんでも全く同じにする形式的平等を求めているわけではなく、その人の実情に合わせて同じ便益を受けられるように取り扱いの変える実質的平等を求めています。
学校教育法の18条によると病弱や発育不全などの状態で学校にいってもまともに勉強できない状態では意味がないので、他の人と同じように学習できるようになってから普通教育を受けたり、普通教育を受ける意味がないことが証明できるようであれば受けなかったりということもできます。

問題11

生涯にわたり学習する基盤を培うための3つの要素は学校の成績評価でも使用されている。そのうち1つは「知識・技能」であるが、残り2つに当てはまらないものはどれか?

相対的位置づけが正解です

学校教育法30条によると、生涯にわたり学習する基盤を培うには下記の3つのことが大事とされ、これらは評価基準にも使用されます。

  • ・知識・技能……学校で習ったことを知っているかどうか、偏差値とほぼ同じと思ってもらって良い
  • ・思考・判断・表現……習ったことに基づいて物事を説明できるかどうか(数学の記述問題や理社の論述問題、小論文など)
  • ・主体的に学習に取り組む態度……授業態度、もう少し踏み込むと自分なりに考えながら授業を受けているか
なお、入試は相対評価ですが、学校の成績表は絶対評価が用いられることになるため、相対的位置づけが用いられることはありません。

問題12

学校教育法によると、学校や教員の教育水準の向上のためにPDCAサイクルのうち何が大切としているか?

評価、改善が正解です

継続的に物事を良い方向に変えていくための考え方の一つにPDCAサイクルというものが存在し、学校教育法42条の文と対応させると以下のようになります。

  • ・計画……条文に記載なし
  • ・実行……条文に記載なし
  • ・評価……学校の教育活動、学校運営の状況について評価を行う
  • ・改善……評価の結果に基づき学校運営を改善する
教師として人に説明を始めると、「このようにすると説明しやすい」というものが出てきたり、意外と生徒の反応がいまいちだったというのを受けたりすることで説明の仕方を試行錯誤しながら変えていくことになると思います。この条文では初心の試行錯誤していくことをベテランになってもなるべく忘れないでねと言っています。

問題13

学校教育法35条によると、生徒の問題行動に対して市町村の教育委員会が与えることの出来る不利益処分はどれか

出席停止が正解です

行政法学上、法律を守らなかったり法律に書いてある悪いことをした場合に行われうることは以下の2種類に分けられています。

  • ・行政罰……犯罪行為や行政上必要な手続きをしない人に、罰金(厳密には科料や過料)を払わせること
  • ・不利益処分……本来持っている権利を制限したり、新たな義務を追加すること
生徒の問題行動により他の生徒の教育を受ける権利が侵害された行政委員会は即座に他の生徒の権利を回復する必要があるため、迅速にできる不利益処分を行います。
しかし、制限を受ける対象となる教育を受ける権利は生徒が将来生きていくために必要なものであるので、永続的に剥奪する退学は適切でなく、一時的な出席停止が適切であるといえます。

問題14

教育基本法が教育の目的として輩出するべきとしているのはどんな人材か?

平和的・民主的な人材が正解です

教育基本法は、教育の目的として以下の2つの人材を輩出することが大事と考えています。

  • ・平和的に解決できる人材の輩出
  • ・民主的な話し合いができる人材の輩出
これは教頭(管理人)の解釈ですが、まず学校などの一斉教育は労働者になることを想定したシステムになっています。
労働者として働くには、意見や価値観が違ったとしてもお互いに擦り合わせを行ったり共存することが必須であるため、会社や社会の要請から教育段階で大事にするべきとしているのかなぁと理解しています。
「平和的・民主的な人材の人材の輩出」の理念はを実践するなら学校でいう「総合的な学習の時間」や「特別活動」にあたる授業を重視した上でその中で落とし込むのが現実的なのかなぁと思います。

問題15

教育基本法によると、テスト対策として学問を教えるにあたって忘れがちだけど知識以上に大切としているものは何か?

人格の完成が正解です

テスト対策として学問を教えていると、注意しないと「勉強出来るやつが偉い」だったり「○○の学校に入っているやつが偉い」となりがちだったりします。
勉強も大事ではあるのですが、あくまで成人してから生きるための手段を見つけるための手段の1つに過ぎません。
そのため、テストの点数の伸ばすだけでなく、様々なことに触れながらやりたいことを見つけたり、他者との無意味な対立をさけたりといった人格に関することも忘れがちですが大切だったりします。