thumbnail 一問一答の一歩

問題1

ボイラー運転中維持必須の最低の水面

安全低水面が正解です

ボイラーに水がない状態は空焚きとなり、ボイラーの温度が非常に高くなるため危険とされています。
そのため、安全を守るために、水を常にある程度張っておく必要があり、最低限維持しておく水面として、安全低水面が定められています。
また、他の選択肢の飽和点は沸点の別名で、液体が蒸発する温度と圧力の組み合わせです。

問題2

ポンプ内で蒸気発生し給水不能になること

過昇が正解です

過昇の過は「程度がはなはだしい」昇は「のぼる」という意味を持っています。
過昇は温度に使われる言葉であり、適正温度よりも非常に温度が高くなることという意味で使用されます。
ボイラーにおいては温度が高くなりすぎることによって本来蒸気が発生しない部分にも蒸気が発生してしまう現象のことをさしており、給水ができなくなるなどの運用上の悪影響もあります。
また、他の選択肢のペ-パロックは油と蒸気が混合することであり、キャリーオーバーは不純物が蒸気に混ざる現象です。

問題3

不純物が蒸気に混ざる現象

キャリーオーバーが正解です

Carry(キャリー)は「運ぶ」、over(オーバ一)は「超える」という意味を持ちます。
通常の状態では不純物は蒸気には混ざらないのですが、何らかの原因で水滴中に不純物が混ざりこむことで、不純物をボイラーを超えて運ぶことからキャリーオーバーと呼ばれています。
過昇はポンプ内で蒸気発生し給水不能になることです。ペ-パロックは油と蒸気が混合することです。

問題4

中和に必要なOHの量

酸消費量が正解です

酸性の成分(H+)とアルカリ性(塩基性)の成分(OH)は相殺されてH2Oになります。
この反応のことを中和といい、中和によって使用されたアルカリ性(塩基性)の成分(OH)と同じ量だけの酸性が消費されているといえることから、酸消費量と呼ばれています。
また、他の選択肢の酸化数は物質が持つ電気の量のことです。イオン化傾向金属元素の水や空気などと反応してイオンになる優先順位のことです。

問題5

ボイラーに付く陽イオンの塊(Ca2+,Mg2+)は何と呼ばれるか

スケールが正解です

Scale(スケール)には「鱗(ウロコ)」という意味があります。
ボイラーにおいては陽イオンの塊(Ca2+,Mg2+など)がくっついている様子がウロコのように見えることからスケールと呼ばれています。
また、他の選択肢の懸濁物はボイラーの水中を浮遊している不純物のことであり、、灰分は石炭中に含まれる不純物のことを指しています。。

問題6

ボイラーの水中を浮遊している不純物

懸濁物が正解です

スラッジはボイラーの不純物のうち、ボイラーの水に溶けていないもののことを指します。
水に溶けていないものはにごりの原因になるため、濁るの字が使われています。
また、他の選択肢の灰分は石炭中に含まれる不純物、スケールはボイラーに付く陽イオンの塊のことです。

問題7

沸騰によって分解するスケール

軟質のスケールが正解です

Scale(スケ-ル)には「鱗(ウロコ)」という意味があり、ウロコのように見える 陽イオンの塊(Ca2+,Mg2+など)がくっついている様子のことをさしています。
なお、反対語は硬質のスケールで沸騰によって分解しないスケールです

問題8

水酸化ナトリウムと鋼が反応する腐食

アルカリ腐食が正解です

Na(ナトリウム)とCu(銅)ではNa(ナトリウム)の方がイオン化傾向が高いため、銅が水酸化ナトリウムに再溶解するということはほとんどないのですが、まれに水酸化ナトリウムに対して以下の化学反応は起こります。

  • Cu2++NaOH→Cu(OH)2+Na+
水酸化ナトリウム(NaOH)はアルカリ性であり、アルカリ性の物体によって別の物質に変えられて銅としては使い物にならなくなることからアルカリ腐食と呼ばれています。
また、他の選択肢のグルーピングは金属の圧力がかかる部分のみの腐食、ピッチングは水酸化ナトリウムと鋼が反応する腐食です。

問題9

金属の圧力がかかる部分のみの腐食

グルーピングが正解です

Gruping(グルーピング)は「似たようなものをひとまとめにする」という意味からきており、Grup(グループ)という単語から来ています。
ボイラーにおいては、圧力がかかる部分は近いところでまとまっていることから、圧力がかかる部分のみの腐食のことをグルーピングと読んでいます。
また、他の選択肢のアルカリ腐食は水酸化ナトリウムと鋼が反応する腐食であり、ピッチングは水酸化ナトリウムと鋼が反応する腐食です。

問題10

点状に発生する腐食

ピッチングが正解です

Pitch(ピッチ)には「黒く残ったカス」という意味があります。
ボイラーにおいても一部が腐食を起こして、黒いつぶつぶ状になることから、ピッチングと呼ばれています。
また、他の選択肢のアルカリ腐食は水酸化ナトリウムと鋼が反応する腐食であり、グルーピング金属の圧力がかかる部分のみの腐食です。

問題11

金属元素の水や空気などと反応してイオンになる優先順位のことは何というか

イオン化傾向が正解です

イオン化傾向はその名の通り、原則の種類ごとにイオン化しやすいか否かを示したものであり、相対的な優先順位の形式で表されます。
イオン化傾向の詳細が二級ボイラーの試験にでることはほとんどないのですが、知っておくと所々詳細な理屈が分かって中身を理解しやすくなります。

問題12

他のイオンと交換することのできる物質

イオン交換体が正解です

イオン交換とはイオンか傾向の違いにより、陽イオン化している物質が他の物質に変わることをいいます。
例をあげると、水素イオンH+よりもアルミニウムイオンAI+の方がイオン化傾向が大きいことから、以下の反応が起きます。

  • 6H++6Cl+2Al→3H2+2Al3++6Cl
このイオン反応式では、イオン化しているものが水素イオンH+からアルミニウムイオンAI+に交換したように見えることから、AlはH+のイオン交換体となっています。
また、他の選択肢の電解質は水に溶けると陽イオンと陰イオンに別れる物質であり、陽子は原子中にある正の電荷を持つものです。

問題13

イオン化傾向を用いて溶ける不純物の除去する方法はどれか

イオン交換法が正解です

膜処理法は浸透圧を利用した不純物の分離方法です。
再結晶は溶解度の差を利用して、液体に溶けているものを分離することです。。

問題14

逆浸透圧を利用して不純物を取り除く方法はどれか

膜処理法が正解です

水溶液の性質として、水に溶けているものの濃度は水溶液どの場所から取り出したとしても一定になるような仕組みがあり、それを拡散といいます。
そして、水のみが通れて、水に溶けているものが通れない半透膜を設置して、濃度の異なる水溶液を入れると、濃度を一定にするために自動的にかかる水圧のことを浸透圧といいます。
この浸透圧を応用して水に対して浸透圧と反対向きの圧力をかけて、純水を取り出すことを逆浸透圧といいます。
この逆浸透圧にも膜が必須となることから、膜処理法と呼ばれています。
他の選択肢のイオン交換法はイオン化傾向の差を用いた不純物を取り除く方法であり、再結晶は溶解度の差を用いて不純物を取り除く方法です。

問題15

溶解度の差を利用して、液体に溶けているものを分離することを何というか

再結晶が正解です

単純軟加法、イオン交換水生成法はボイラーの重要用語であり、イオン化傾向の差を利用して、溶ける不純物の除去する方法です。(高校入試には出ない)
ボイラーにおいて再結晶は軟化剤の使用で活用されており、水に溶けているK+やCa+などを水に溶けないものに化学変化させることで不純物を取り除いています。

問題16

陽イオンをNaに全て置き換える軟化法

単純軟化法が正解です

軟水とは硬度成分となるマグネシウムMgやカルシウムCaの溶けている量が少ない水のことを言います。
このことからボイラーにおいて軟化とは水に溶けているマグネシウムイオンMg2+をイオンではない形に変えることであるといえます。
Na+はMg2+よりもイオン化傾向が最も高い物質であるため、Naを入れれば以下のイオン反応式のようにMgのイオン交換をすることができます。

  • Mg2++Cl+2Na→Mg+Cl+2Na+
これは他の方法と比べると比較的シンプルな方法であることから、単純軟化法と呼ばれています。
また、イオン交換水生成法は純粋な水を用いてイオン交換することです

問題17

純粋な水を用いてイオン交換すること

イオン交換水生成法が正解です

イオン交換法は、イオン交換樹脂HSO3を用いてイオン交換を行う方法です。
イオン交換法はマグネシウムイオンMg2+、及びカルシウムイオンCa2+が水素イオンよりもイオン化傾向が大きいことを用いてイオン交換樹脂にマグネシウムイオン、カルシウムイオンを集める方法であり、具体的には以下の化学反応が起こっています。

  • Mg+2SO3+2H+→Mg2++2SO3+H2
また、単純軟化法は陽イオンをNaに全て置き換える軟化法です。

問題18

イオンの交換能力を復元すること

樹脂の再生が正解です

ボイラー水の硬度成分を取り除くのに、イオン交換樹脂HSO3というものが使用されるのですが、ずっと使い続けていると、イオン交換ができなくなるので、再生処理を行う必要があります。
再生処理の具体的な化学式は以下の通りです。

  • Mg(SO3)2+2HCl→2HSO3+MgCl2
また、他の選択肢の解糖は糖を分解することでエネルギーを得ることを示す化学の用語あり、還元は物質中の酸素を取り除く化学用語です。

問題19

イオン交換における限界点のこと

貫流点が正解です

貫流点はイオン交換において、イオンを交換することのできる最大のイオンの量のことを指します。
貫流点を超えた量のイオン交換をしようとすると、イオン交換が機能しなくなるので注意する必要があります。
また、他の選択肢に関しては以下のようになっています。

  • 露点:空気中の溶けられる水蒸気を示した点
  • 飽和点:液体が気体に変わる、温度、圧力の組み合わせを示す点