問題1
酸消費量の基準となる物質
CaCO3が正解です
酸消費量の酸は酸性アルカリ性の酸のことを示しています。
酸を消費したということはアルカリ性によって相殺された酸性の成分H+の量のことを示しています。
また、消費されたH+の量は中和に用いたアルカリ性のものの量と等しいことがいえ、比較的安全に中和を行う物質に炭酸カルシウムCaCO3が使われていることから基準とされています。
また、他の選択肢に関しては以下の通りです。
問題2
O2,CO2を合わせた総称
容存気体が正解です
溶存とは溶けた状態で存在していることを指します。
水に溶けている気体の中でよく基準になるものが酸素と二酸化炭素であることからこれらの総称を溶存気体と呼ばれています。
また、選択肢にある希ガスは周期表で18族に族する気体、アルカンはメタンやエタンの総称です。(どちらも化学の用語ですが、2級ボイラーにはでないです)
問題3
水分の硬度の基準となる量に当てはまらないものはどれか
Clが正解です
水分の硬度とは水中のCa,Mgの量のことであると定義されています。
ボイラーに限らず日常でも硬度成分が高い水を硬水、そうでないものは軟水と呼ばれています。
問題4
酸洗浄液の成分に当てはまらないもの
亜硫酸ナトリウムが正解です
酸洗浄液はスケールと化学反応させて落とす必要があるので、酸性のものを用いる必要があります。
しかし、塩酸が全て反応しきっているわけではなく、ボイラー液が酸性になることから、抑制剤を用いて中和を行います。
具体的な成分は以下の通りです。
- ・塩酸(HCl)……酸性 ・抑制剤(NaOH,NH3 )……アルカリ性
- Mg+2HCl→H2+MgCl2
- HCl+NaOH→H2O+NaOH
問題5
酸洗浄で発生する気体
水素が正解です
酸洗浄では主に水に溶けているナトリウムイオンNa+やカルシウムイオンCa+を塩酸(HCl)によって洗浄することが多いです。
化学式で表すと以下の通りです。
- HCl + (Na+又はCa+) →H2 + NaCl
問題6
満水保存法で測定するものはどれか
鉄分が正解です
ボイラーの主成分は鉄であり、水に入れておくと鉄イオンとなって少しづつ水に溶けていきます。
鉄分が多いということはボイラーの鉄が大量に溶けているといえることから、満水保存法においては鉄分の測定はしなければならないとされています。
また、他の選択肢のシリカゲル,アルミナは乾燥保存法で使用するものです。
問題7
ボイラーの乾燥保存法で使用するものに当てはまらないものはどれか
鉄分が正解です
乾燥保存法で使用するものは以下の二つです。
- シリカゲル[SiO2)n(H2O)m]
- アルミナ(Al2O3)
また、選択肢となる鉄分は満水保存法で測定するものです。
問題8
酸消費量付与剤の成分に当てはまらないものはどれか
リン酸ナトリウムが正解です
酸消費量とは中和された酸性の成分の量を指しているので、アルカリ性の物質である必要があります。 アルカリ性の物質のうち、酸消費量付与剤の成分に使われるものは具体的に以下の二つです。
- 水酸化ナトリウムNaOH
- 炭酸ナトリウムNa2CO3
問題9
軟化剤の主な成分に当てはまらないものはどれか
水酸化ナトリウムが正解です
水に含まれているMg+、Ca+は硬度成分とよばれており、それらを取り除いた軟水にすることを軟化と読んでいます。
軟化剤の主な成分は以下の通りです。
- Na3PO4(リン酸ナトリウム),
- Na2CO3(炭酸ナトリウム)……1MPa以下の場合のみ
- 3Mg2++2Na3PO4→ 6Na++Mg3P2O8
- Mg2++Na2CO3→2Na++MgCO3
問題10
脱酸素剤の成分に当てはまらないものはどれか
アルミナが正解です
脱酸素剤の成分は以下の3つです。
- ・タンニン……カテキン(C15H14O6)が中心の混合物
- ・ヒドラジン(N2H3)
- ・亜硫酸ナトリウム(Na2SO3)
- N2H4+O2→N2+2H2O
- 2Na2SO3+O2→2Na2SO4
問題11
ダストの成分に当てはまらないものはどれか
浮遊炭素が正解です
Dust(ダスト)には「小さなゴミ」という意味があります。
ボイラーにおいては、ダストの成分燃焼することの無い以下の成分の総称です。
- ・灰
- ・未燃分
問題12
すすの成分はどれか
浮遊炭素が正解です
すすは炭が細かくなったものなので、成分は浮遊炭素Cによって構成されています。
また、すすが多くたまっていると、ボイラーの運用に以下の悪影響が出るということをできれば頭に入れておきましょう。
- 空気が通りにくい……たまったすすによって空気の通り道がせまくなるため
- 熱が通りにくい……炭素は金属よりも比熱が低いため